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「ちょっ! 近い! 近いよっ!!」
「うん、やっぱり眼鏡の方がいい」
「はぁ??」
鷹藤君の言うことはいちいち唐突すぎてついていけない。
溜息をついていると、内緒話のようにこそっと耳打ちをされた。
「声に感情が出るってことも、眼鏡取った時の方が可愛いってことも、知ってるのはオレだけでいいから、他のヤツには絶対内緒ね」
「!」
バクンと大きく心臓が跳ねた。そして、カーッと頬が熱くなる。
何それ、なんでいきなりそんなこと? そういうこと、誰にでも言ってたりするの?
すると、そんな私の気持ちを読んだかのように、鷹藤君は笑いながら言った。
「オレ、誰にでもこんなこと言う訳じゃないから。そこは誤解しないで」
何を考えているのかわからないと言われる私が、今この時だけは全部表情に出てしまっているらしい。
益々恥ずかしくて、穴があったら入りたい気持ちになっていた。
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