Love Trap

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「鷹藤! 鷹藤!」 「せんせー、鷹藤君、いませんよ?」 「なにっ!? あいつまた……」  私は窓の外を眺める。  今日は本当にいい天気だ。暑くもなく、寒くもなく、こんな日は化学薬品の匂いが漂う教室で実験などしている場合じゃない。  ──と、自慢じゃないけど、真面目でお堅いクラス委員長の私でさえそう思う。  自分では真面目でお堅いつもりなど全くない。それなのに、小学校の頃からずっとクラス委員長を務めていたせいか、そんなイメージがついてしまった。  まぁ、実際真面目だし、もう今更自分のイメージを払拭しようとは思わない。  それに、真面目で優等生のイメージも悪いことばかりではない。先生方に受けがいいというのは、やはり何かと便利なのだ。  ……面倒くさいことも多いけれど。  あぁ、ひなたぼっこでもしたいな……とぼんやりしていると、先生から名前を呼ばれた。
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