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「……なに?」
「オレのこと、蓮って呼んだら授業に戻る」
「えええええ!?」
「杏はオレを教室に連れてかないとダメなんでしょ? なら、この条件呑むしかないよね~」
なんだこれ、なんで私がこんなに圧倒的に不利になってるの!?
鷹藤君を見ると、無邪気にニコニコと笑っているだけで、譲るつもりは更々ないようだ。
でも、私はクラス委員長、鷹藤君を教室に連れ戻すよう先生から頼まれてここに来ている。
「……他の人がいる時は呼ばないから」
渋々そう言うと、鷹藤君はパアッと花が開くように笑って、またコクコクと頷いた。
「うん、いいよ。二人の時だけ。そういうのも、なんだかいいよね!」
「だから、鷹藤君もそうして」
「鷹藤君……?」
あぁ、もうほんっと面倒くさい!
私は深呼吸して、鷹藤君の名前を呼んだ。
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