93人が本棚に入れています
本棚に追加
◆◆◆
バタンと大きな音がして扉が開く。そこから爽やかな風が吹き抜けていった。
少し重い扉をまた閉じて、私は屋上へ出る。
「やっほー。なんか段々タイム上がっていってるんじゃない?」
屋上のフェンスにもたれ、鷹藤君が笑って手を振っている。
「タイム?」
「鷹藤蓮捜索にかかった時間」
あっけらかんとした顔でそんなことを言われたものだから、力が抜けそうになった。
一体何を考えてるんだか……。
「もっと工夫しないとなぁ……」
「あのね、前から言ってるけど、どうしていつも授業ほったらかしてどっか行っちゃうの?」
若干イラッとしていたけれど、極力表に出さないようにする。
ここでぎゃんぎゃん喚いても、全く意味がない。先生に怒られても全く気にしないのだから、私が怒ったところで気にするとも思えない。
最初のコメントを投稿しよう!