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「高梨さん、今イラッとしてるでしょ?」
「え……」
ギクッとした。顔には出してないつもりだったのに、出てたんだろうか。
でも、自慢じゃないけど自分の感情を表に出さないことについては定評がある。
『高梨さんっていつもすましてるよね』
『何考えてるかわかんなくてちょっと怖い』
『お堅い委員長だし、私らとは違うよね』
『優等生ってつまんないねー』
陰でそんな風に言われているのは知っていた。
でも、仲の良い友達はいたし、彼女達が本当の私を知ってくれているからそれでいい、そう思っていた。
「なんでわかったのって感じ?」
「べ、別に……」
「ねぇ、なんでオレがここにいるってわかったの?」
いつの間にか、鷹藤君がすぐ近くまで来ていた。
私は咄嗟に離れようとするけど、一瞬早く腕を引かれる。
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