第1章:やっぱり好き

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ドンドンッ! 窓を叩く音と同時に友達の声がした。 「おーい!みなみーっ!」 窓からひょこっとみると、金髪の少女が自転車に跨ってこちらに向かって大きく手を振ってきた。 友達のひなだ。 窓を開け、あたしは叫んだ。 「ひな!おはよっ!」 「おはー! 早く準備していこーっ!」 「うんっ!」 そういうと急いで学校へ行く準備をした。 学校に行っている時間が一番幸せだ。 なんて言ったって、大切な友達、そして初恋の人に会えるから___ すでに振られていて私に可能性なんてものは1ミリも無いと思う。 けれど、姿を見れるだけで1日頑張れるし、こんな生活も耐えられる。 姿を見れるだけで幸せな気持ちになれるなんて、恋って本当に不思議だよ そんな事を考え、自分の部屋である屋根裏部屋に向かうとカバンを持つ写真の前に立った。 男の人と女の人が立っている写真。 あたしの大切な両親だ 両親は恋愛結婚だったと聞いた。 本当に仲の良い2人の姿は今でも鮮明に覚えている。 「お父さん、お母さん。みなみは今日も元気に学校へ行ってきますっ!!」 そういい、あたしは屋根裏部屋を後にした_____
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