第1章:やっぱり好き

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そんなあたしの姿をまじまじと見つめてくるひなは、 「おやおや~?彼氏さんですか~?」 とニヤニヤしながら聞いてきた。 「彼氏はいないよ。だって…」 「ずーっと、翔太が好きなんだっけ?」 「うん…」 あたしは中1のあの日、こっぴどく翔太にフられたけれど、やはり忘れることができない _____諦められなかった 「一途ですねぇ~。 いっそ、"リク"って人にしちゃえば?」 「無理だよ!どんな人か全くわかんないもん!」 確かにリクに対して好意は持ち合わせているが、翔太に対する気持ちとは違うのだ。 リクは大切な“友人”というだけなのだから___ 「そう言っている割にはさっき顔がニヤケまくっておりましたが?」 「いや、それ絶対気のせいです」 「そ、そんな真顔で言わないで…。 でも、同じ高校なんでしょ~? あ、ハロウィンパーティーに誘われたりして?」 「ま、まさか。あり得ない」 「誘われたらいくの?」 「うーん、多分いく。 ちょっとどんな人か見てみたいからね!」 「どっちやねん!」 あたしの高校には来月、10月にハロウィンパーティーがある。 みんなで仮装パーティーなのだ 高校でそう言うのって本当に珍しいんだ。 だからこそ、あたしの高校って人気あるんだよね! プロムもあって、制服もない。理事長がアメリカ風の学校にしたかったらしく、そう言った行事がたくさん取り入れられているのだ。 「でも、バンドのことは忘れないでね?リードボーカルがいなきゃはじまらないからっ!」 「はいはい」 あたしはバンドを組んでいるんだ あたしはリードボーカルで、 彼女はギターなの。
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