美術の時間

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美術の時間

「貴女の絵は下手だね。私の方がもっと上手く描けるのに」人が描いている先からズケズケとこんな事を言ってくる女の子がいる。その子は、誰にでもそんな事を言うのでクラスの子から嫌われてる。だけど、グループを組ませるとリーダーをやりたがるので、先生の前では体裁が良い。 「この子のようになってみなさいね」と先生が言う。上っ面だけが良くて中身がないその子のどこがいいのか、みんなは腹を立てている。だけど、ここで本当の事を言うと長々と先生から説教されるので黙っている。 この子は以前から、音楽の授業で歌ってると「貴女は音痴だね」とか、体育の授業で何か運動をすると「貴女はモタモタしていて、いつも格好悪いね。本当に運動音痴ね」とか、習字を書いていると「貴女の字はいつも汚いね。もっと上手な字を書けないの」とか一々ケチを付けてくる。先生にゴマをするのが得意で、肝心の中身がないその子に対して堪忍の尾が切れた。 「あんたは一体何様なの? そんなに私たちを嫌いなら他の学校へ転校すればいいじゃないの」とみんなの前で罵声を上げた。そこで目が覚めた。寝言で自分が放った「バカヤロウ」で気がついたのだ。     
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