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「ご立派! 正しい! 莉奈さん! 私もそう思う!  そうだね! 最高の正論! でもね! 雄平が決めることなの!  あなたが意識を取り戻したのも、全部私が揉みこんだワクチンのお陰!  見ればわかるよね、雄平! 莉奈さんはさっきまでいつ亡くなってもおかしくない状態だったのに、ホッペがピンクでしっかりと言葉が出てた!  あなたが、未来の異星人たちを選べば、この素晴らしく正しい奥さん、死んじゃうよ!  あなたが、殺すんだよ!」 「違うわ! 雄平! 私は最初から死ぬはずだったの!  私はあなたと出会って、ここまで生きて、幸せだった!  誰かの、誰かが幸せになれる庭を荒らしたくなんてない、雄平に荒らして欲しくなんて、ない!」 「他人なんてどうでもいいじゃん! 今は有りもしない庭だよ!?  そんなもののために自分の奥さんを殺すなんて、マトモな人がすることじゃないじゃん!」  マリアがまくし立てるように叫べば、莉奈は諭すように唸る。  どちらが正しいのか、どちらに従うべきなのか。  だが、雄平の答えは決まっていた。最初から、選択肢なんてない。 「帰ってくれ。マリア」「クーリングオフはしない。俺は……莉奈と一緒に生きていく」 『雄平!』  重なったマリアと莉奈の言葉は、同じ音の全く別の言葉だった。 「ありがとう! 雄平! これで私の世界の地球は、新しい星を征服できる! 本当にありがとう!」  莉奈の非難を背に浴びながら、マリアはスルリスルリと華奢な身体を踊るように揺すり、窓辺まで到着し、リズミカルにシャッターと窓を跳ね開けた。 「それじゃあ、おふたりさん、幸せにね!」 「ああ、ありがとう。マリア」
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