第1話  「ここはどこ?」、『いいから助けなさい!!』

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第1話  「ここはどこ?」、『いいから助けなさい!!』

 真っ暗な闇のなか、そこに浮かび上がる一対の目、目のなかには星々が広がりやがてゆっくりと現れる青い惑星。  地球のようにも見えるが全面真っ青としており、陸地らしきものが見当たらない。そんな惑星を見下ろすように時折まばたきをしながら眺め続ける目、片方の眼にズームインしていきやがて瞳の中いっぱいに広がる青い惑星、さらにズームインと共に今度は青い惑星の表面が海であることがわかるくらいに近づきそのまま海中へ。(※この時一瞬白い魚のような影が写るがそのまま進んでいく。)  海中をさらに進むとやがてガラス張りのドームのようなものが見えてくる。ドームの中にさらに進んでいくと海中と同じような状態でも町の明かりのようなものが見えてくる、さらに進み古い町並みの一軒の家のベランダに立ち上を見上げている少年の目の前でズームが終わり、その目に写るのは真っ暗な闇とそのなかをゆらゆらと泳ぐ白い魚の影であった。  場面が変わり先程の家や町並みよりもずっと繁栄した感じのビル群に差し込む光、しばらくすると怒号と共に剣呑な雰囲気となる。少年がゴロツキの集団に追いかけられ、泣きそうな顔つきで逃げ惑っている。懐には見るからに怪しげなスーツケースとそこからはみ出るお金と思わしき札束。少年の顔色はどんどん悪くなり逃げる足取りもおぼつかない、やがて捕まり袋叩きにあう。  クロケット「ちっ、ちがいますっ!!僕じゃ、僕が盗んだんじゃありま…がっっ!?(殴られた音)」  ゴロツキA「あん?なに今さら言い訳なんかしてんだオメェは、こっちはオメェが金持っていくところもばっちり見てンダヨ。」  ゴロツキB「金が足りねぇっ!?舐めたことしやがってただで済むと思ってんじゃネーゾ!!あ"ぁ"!!」  クロケット「そんなッ!?ホントに、ホントに僕じゃ…」  さらにリンチは続き道行く人達は遠巻きに見ては通りすぎていく。そのさらに奥からはクロケットを見て厭らしく笑う狐目の男とギョロリとした猫のような目で狐目の男を見ている女がいた。女の手には見る限り似つかわしくない男物の古びた鞄と札束がひとつ握られていた。    ボロボロに打ちのめされたクロケットは気を失ってしまうがゴロツキたちは収まりがつかずクロケットを縛り上げ自分達のアジトへ連れていった。  ギョロ目の女「アララァ~、あの子つれてかれちゃったよぉ…。よかったの?アレ?」
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