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狐目の男「コロコロコロ…、大丈夫ですよ。あの坊や、見た目よりも随分頑丈なようですし。あれだけ殴る蹴るされても怪我ひとつおっていませんでしたよ。」
ギョロ目の女「でもこの金が見つからなかったら殺されちゃうんじゃなぁい?それはちょっとカワイソウよぉ~。」
狐目の男「コロロロ…、随分あの坊やに肩入れしますねぇ…『ギディ』。そんなに気に入ったのですか?ちょっと妬いてしまいそうですよ。」
ギョロ目の女ギディ「そんなんじゃないよぉ~、ただ私たちにも親切だったなぁって、怒らないでぇ~『オーネスト』ぉ~。」
狐目の男オーネスト「怒ってなんかいませんよぉ~ギディ~。そうですねぇ、あの坊やは親切な心優しい少年でしたねぇ…ならばきっと私達の幸せのためにその命を差し出してくれますよ。えぇ、きっと。」
ギョロ目の女ギディ「私達の…幸せぇ…(ポッ)」
狐目の男オーネスト「そうです、だから私達はあの坊や分まで幸せになる義務がある。違いますか?ギディ?」
ギョロ目の女ギディ「そうねぇ!幸せに、私達の幸せのために来たくれた天使様だったのねぇ。ねぇ、オーネスト、私達の幸せのためにこれからもがんばりましょうねぇ。」
狐目の男オーネスト「えぇ、行きましょうギディ…。次のカモを探しに…、コロコロコロ…。」
二人寄り添って路地裏の闇へと消えていく。
場面が変わりボロボロなって柱に縛り付けられたクロケット。オーネストの言うように汚れてはいるが怪我はない。気を失っており、意識が真っ暗な闇の中にある。
闇の中に水の波紋が浮かび、続いてどこからか白い魚の影がゆっくりと近づいてくる。
闇の中に身体を一つで浮いているクロケット、近づいてくる白い魚の影を眺めていたが近づいてくるうちにどんどん大きくなってくる魚に慌て始める。
クロケット「ウワワワッ!?なんだあれ?くっ、喰われる!!」
最早クロケットの何百倍にも大きな魚(クジラ)が眼前に迫り大きな口を開いていた。思わず両腕で頭を守っていたが薄目でクジラの喉奥を見るとそこには不気味な人影が二つ、1つは小柄な髪の長い女性のよう、もうひとつは明らかに人ではない人の形をした何かであった。
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