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クロケット「うわぁー!!」
自身の叫び声で目を覚ますとゴロツキ達が再びクロケットの回りに集まってくる。
ゴロツキA「ヨォ~、お目覚めかぁ?ずいぶんうなされてたみてーだけど悲鳴をあげるのはこれからだぜぇ~。ケケケッ!」
下卑た笑い声をあげて近づくゴロツキ達、クロケットの青かった顔色が更に酷くなる。すると最後にゴロツキ達よりも頭一つ分大きな男が少し呆れた顔でゴロツキの一人を張り倒す。
大男「ダセーことすんな。ビビらせたら話ができねーだろうが。」
張り倒されたゴロツキを見てとたんに大人しくなる他のゴロツキ達。ゴロツキの中でも特に悪そうな顔をした男(ゴロツキ長)が大男に話しかける。
ゴロツキ長「も、申し訳ありやせん『フィロガー』親分。オイ!そちらさんを親分の所まで連れてこい!丁重にだぞ!」
ゴロツキ一同「「へ、へ、ヘイッッッッ!!」」
状況が飲み込めずゴロツキ達に促されるままイスに座っていたフィロガーの前までやって来たクロケット。
そんなクロケットの目を鋭い眼光で見つめるフィロガー。最早真っ白な生気のない顔で立ち尽くすクロケット。少しの沈黙の後、軽く微笑むように目尻を下げるフィロガー。
フィロガー「ウチの馬鹿どもがだいぶ手荒なことをしたみたいだなぁ。まずはその件を詫びよう、ボウズ、すまなかったな。」
深く頭を下げるフィロガー、呆気にとられるクロケットとゴロツキ達。更に話続けるフィロガー。
フィロガー「こんなんで許されるとは思わんが筋は通したくてな、怪我の治療もこっちで面倒みよう…」
話続けるフィロガーに思いきったように問いかけるクロケット。
クロケット「あっ、あの…何で急に、僕は疑われてたんじゃ…?」
フィロガー「あ~、そうだな、なんとなくそんなことができるようには見えなかったし。それに…」
フィロガー、少し言いよどんだ後、呟くように。
フィロガー「狐目の男…、そいつに心当たりはないか?」
フィロガーの一言に動揺するクロケット。それを見て確信するフィロガー。
フィロガー「ここ最近、お前さんみたいな真面目そうなやつを狙った詐欺が横行してるようでな、被害者が口を揃えて言うのがその狐目の男だ。」
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