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プレゼント包装されてはいないが中には袋に入った白い服らしきものが入っている。
取り出そうと手を伸ばし、そのままフリーズした。
・・・ちょっと待て。
これ、もしかして。
見覚えのある白さ。
視界にニヤニヤと笑う木内が入ってきて、俺の反応を楽しんでいるのが分かった。
「・・・・木内、これ・・・」
「なんだ、出す前にそれが何か気づいたか。ここで広げてお前がテンパるところが見たかったのに。」
人の悪い笑顔を浮かべて木内は紙袋を指差した。
「言っとくが、ちゃんと新品だからな。」
「・・・・お前、これを俺にどうしろと言うんだ・・?」
袋の口を何となく手で隠しながら木内を見つめた。
新品とか中古とか、そんなことはどうでもいい。
それよりも、どうしてこんなものを俺に渡すのかが分からない。
面白がっているのが丸わかりな友人を軽く睨みつけると、木内はニッと悪いながら腕を組んだ。
「どうするって、それの使い道は一つだろ。彼女との営みにたまには変化をつけなきゃな。いいぞ『お医者さんごっこ』」
「なっ!お前、ふざけんなよ!」
言われた言葉に思わず大きな声が出てしまう。
すぐさまここが社員食堂であったことを思いだし、咄嗟に口を押さえて周りの様子を伺った。
・・・良かった、誰も気にしている様子はないな。
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