5 嫉妬

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side 蒼牙 悠さんと両想いになってから毎日のように会うようになった。 仕事が終わる時間帯がお互いにバラバラで、ゆっくりと過ごすことはあまりないけれど。 それでも会いたくて、例え少しの時間でも会いに行った。 そして明日、やっと悠さんと休みが合う。 嬉しくて仕事にも力が入る。 「いらっしゃいませ。」 営業スマイルで来店した客を迎え席に案内する。 オーダーをとり厨房に向かう途中で違う女性客から声を掛けられ、水の追加を頼まれる。 「かしこまりました。少々お待ち下さい。」 それにも営業スマイルで応え、急いで厨房にオーダーを伝える。 料理が出来る間に何度となく声を掛けられ忙しく動き回った。 「相変わらず凄い人気だな。」 やっと落ち着きフーッと息を吐いていると、シフトが一緒だった内藤くんに声を掛けられた。 「ほんと、何でこんなに忙しいの。」 ついついボヤクと隣から「忙しいのは特にお前。」と笑う声がする。 「…ありがたいけど、疲れるよ。」 ほんと、この後悠さんに会えるから頑張れるけど… 「お、新しいお客さんだ。」 内藤くんが入口に向かおうとするのを視線で追いかける。 入口には三人組の男性客。 その内の一人の姿を確認して、俺は慌てて内藤くんの肩を掴んだ。 「待って!俺が行く!」 「は?お前ちょっと休んでろよ。」 「大丈夫、ありがとう!」 内藤くんにお礼を言い入口に向かう。 「いらっしゃいませ。」 営業スマイルではなく心からの笑顔を。 「三名様ですね。こちらへどうぞ。」 笑顔は貴方だけに。 一番後ろで困ったように笑う悠さんに向けて微笑みかけ席を案内した。
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