26 引っ越しの夜

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side 蒼牙 目が覚め隣を見る。 広いベッドに一人。 また覚醒しきっていない頭でボーッと周りを見回した。 見慣れない部屋に瞬きをしていくうちに、だんだんと頭がハッキリとしてきた。 ・・・そうだ。 ここは悠さんと俺の新しい部屋だ。 隣で眠っていたであろう悠さんの姿がないところをみると、もう起きているのだろう。 昨夜の情事を思いだし、口を押さえてにやける顔を隠した。 『朝まで俺を離すな』 そう呟いた悠さんの身体を何度も抱いた。 自分でも呆れるほどあの人が欲しくて、途中ぐったりと眠ってしまった悠さんにイタズラして起こしてはまた触れていった 『もう、満足しただろ・・・』と荒い息を吐く恋人を組み敷き『じゃあこれが最後・・』と唇を重ねた時には、カーテンの隙間から明るい陽が射し込み始めていた。 耳をすませて寝室の向こうの様子を伺う。 カタン・・・と音がするのはキッチンから。 休日でもきっちりと朝食を作る悠さんらしい・・・と笑いが溢れた。 身体を起こしてベッドから降りる。 ダブルベッドでも俺が悠さんを抱き締めて寝るのは変わらない。 むしろ狭い方が抱き締める口実になっていたくらいで、『広いんだから離れろ』とか言われたらどうしようと思っていた。 でも『暑苦しい・・・』と文句を言いながらも、悠さんも俺の腕を退けることはしなかった。 ダブルを買うと決めたのは、実はセックスにシングルは狭いから・・・ということだけが理由だったことにあの人は気付いているのだろうか? マットレスからシーツを剥がしベッドを整える。 昨夜の情事で汚れてしまったそれを洗濯するために丸めると、俺は悠さんの待つキッチンへと向かったー。
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