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「悠さん。」
「何だ?」
コーヒーを両手に持ってテーブルの向かいに座ると、1つを俺に差し出しながら悠さんは俺を見た。
「・・・俺の、サラダしかありません。」
「そうだな。」
「・・・悠さんのは、目玉焼きがあります。」
「そうだな。」
自分の皿と悠さんの皿を見比べながら『どうしてだろう?』と頭を捻る。
目の前には美味しそうな朝食が並んでいるが、なぜか俺のには目玉焼きがない。
悠さんのには2つあるのに・・・。
その代わりサラダは倍の量が用意されている。
「何で?」
首を傾げると悠さんはキッと俺を睨み付けた。
「俺のは体力回復用、お前のは性欲抑制用だ!」
「・・・・・・・・・」
真っ赤になりながら「文句があるか?」と続けるのに俺は一瞬呆気にとられた後、机に突っ伏して肩を震わせながら笑った。
必死に普通を装っていただけで実は照れてもいたし、怒ってもいたらしい悠さん。
・・・わかってないなぁ。こんな可愛いことしたら逆効果なのに。
流石に昨夜はやり過ぎたし今日は我慢しようと思っていたけど・・・これ、我慢できるかな。
モグモグとパンを頬張りながら悠さんが机の下から足を蹴ってくるまで、俺は笑い続けていたー。
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