27 引っ越し祝いの副産物

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「とにかく俺には必要ない。お前が使えば良いだろうが。」 顔が赤くなっているのが自分でも分かる。 紙袋を木内に突き返そうとすると、見当違いな返事が返ってきた。 「なに?もしかして、メイド服のが良かったか?」 「違う!」 即答すれば木内はけらけらと笑った。 「ちゃんと白衣の他にナース服も入ってるから、まぁ楽しめよ!」 「え、ちょっ、待て!木内!」 そう言って立ち上がると、木内は手をヒラヒラと振りながら歩き出す。 引き留めてもさっさと歩き去っていく背中を見送り、紙袋をもう一度見た。 明らかなコスプレ衣装・・・しかも医者とナース。 ・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・うん、蒼牙に見つかる前に何とか処分しよう。 じゃないと、ろくなことにならない気がする。 大きなため息を溢し、午後の仕事に戻るために席を立ったー。
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