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~数日後~
「悠さん。これ、何ですか?」
風呂上がり、冷蔵庫からビールを取り出していると後ろから蒼牙が声を掛けてきた。
「ん?・・・・・・っ!!」
振り向けば蒼牙の手には例の紙袋が。
何で?
クローゼットの奥に隠してたのに!
ニコニコとそれはそれは嬉しそうな笑顔で俺に詰めよってくる。
「ダメですよ、隠すならもっと違うところじゃないと。で?これは何ですか?」
「いや、あの、」
至極楽しそうな声で聞いてくると蒼牙は一歩俺に近づく。
それに押されるように一歩下がると、また一歩近づいてくる。
そうやって壁際に追い詰められとうとう逃げ場が無くなってしまい、身体が触れそうなほど近づいてきた蒼牙を見上げた。
「貰ったんだよ!木内から!」
俺の顔の横に手をつきニッコリと笑いながら顔を覗いてくるのに、あたふたとしながら答えた。
至近距離でこの蒼い瞳に見つめられると落ち着かない。
しかも蒼牙の手の中にはあの紙袋。
もう嫌な予感しかしない。
「へぇ。で、何で隠してたんですか?」
「う、それは・・・」
笑顔のまま聞いてくるのが逆に怖い。
絶対によからぬことを考えているに違いない蒼牙から逃げるように顔を背けた。
「俺が着せると思った?」
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