1 出会い

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side 悠 秋山蒼牙と名乗った彼は、さんざん謝ったあとで「お礼に食事でも奢ります。」と言ってきた。 おそらく俺より年下のヤツに奢ってもらうのも如何なものか。 だいたいそんなにお礼を言われるようなことをした訳ではない。 「いや、もう買ってるし。ビールも買ったからな。帰って食べるよ。ありがとうな。」 コンビニの袋を下げて見せると、何故かションボリとした様子になる。 何か犬みたいだな。 内心そんなことを考えながら「じゃあな、秋山くん。」と別れを告げる。 マジ、腹減った。 早く帰ってビールが飲みたい。 そんな事を考えていると「それじゃあ…」と声がする。 何だ? まだ何かあるのか? 「じゃあ、明日。明日、お礼させてください。」 「え、いやいいよ。悪いし。」 「食事じゃなくて、コーヒーで。」 一生懸命そう告げる秋山くんは、本当に犬みたいだ。 意外とカワイイな。 「いいよ。じゃあ明日な。」 「…!はい!」 これ以上断るのも悪い気がして了解すると満面の笑み。 パタパタと揺れるシッポが見える…気がする。 明日の待ち合わせを確認して今度こそ別れた。 秋山蒼牙か。 犬みたいな様子を思い出し、気付くと笑っていた。
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