猫嫌いの旦那さまと、猫の私

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とどのつまり、旦那さまは私のことが嫌いのにゃ。 旦那さまは、私がやって来ると決まってカエルを踏み潰したような声を上げて立ち退いていってしまうにゃ。足元で少し体を擦り付けただけにゃのに。 ああ、かにゃしい。 大抵の人間は、私を撫でたり膝の上に乗っけたりして可愛がるにゃ。けれど旦那さまの場合、意気揚々と膝に乗りこんだ私をしっしっと追い払ってくる。 何故なのにゃ? そんな反応をされると逆に、気になって仕方がなくにゃる。 旦那さまとお話が出来ればにゃぁ。私の気持ちを伝えられたらどんにゃにいいか。 「旦那さま!避けるのは止めて欲しいにゃ!あと、私が旦那さまに触れると必ずやる、そのシュッシュッていうやつも嫌いにゃ!」 そう言ってやりたいにゃ。 昔から、旦那さまは私の事が嫌いだったけれど、一段と私を避けるようになりはじめたのは、一年前に奥さまを亡くしてからにゃ。 奥さまは道に捨てられた私のことを拾ってくれたにゃ。 はじめて旦那さまと顔を合わせたとき、旦那さまは、 「猫っ!!」
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