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しかし悲しいかな、俺はまだ月に100ドルの小遣いを何とかやりくりしているしがないティーンエイジャーだ。どこまで行くのか分からない車を追って自分もイエローキャブに飛び乗るなんて大胆な真似は、金欠という名の壁に阻まれできなかった。
そんなわけで俺は今もFartの素性を何一つ掴めないでいる。なのにこいつを売れない小説家だと決めつけてかかっているのは、俺を見る度に優越感丸出しの顔でニヤニヤ笑うFartの大人げのなさがムカつくからだ。
しかしそうして俺がもたついている間にも、俺たちの関係は少しずつ変化し始めていた。
そう。
神の目にしか映らないくらい少しずつ、着実に。
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