3.

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「Ladies and Gentlemen! 大変お待たせ致しました。これより現役民主党議員、エドワード・ハートによる大統領候補演説を開始致します!」  やがて俺の腕時計の針が午後1時を指した頃。ステージ上部に設けられたスピーカーから(こな)れた感じのアナウンスが轟き渡り、会場が一気に熱狂した。  星条旗がはためくステージに、すらりとしたスーツ姿の男が登場する。最近テレビでその顔を見ない日はないと言ってもいいほどの有名人。  本物のエドワード・ハートだ。 「皆さん、本日はようこそお集まり下さいました。魔女も怪人も、天使も悪魔も、あらゆる方々が時空と種族の壁を超えて応援に駆けつけて下さったこと、誠に光栄に思います」  スピーチ台に立って開口一番、支援者を見渡したハートの言葉にどっと会場が沸く。  生のハートはテレビのブラウン管を通して見るよりほんの少しだけ若く見えた。まるでハリウッドスターのようにバッチリ決めた髪型はなかなか様になっているし、笑うと浮かぶ目尻の皺が見る側に誠実そうな印象を与える。  ただ、思っていたよりもちょっとばかし背が低い。たぶん並んだら俺とFartの中間くらいの身長だ。笑いながら手を振るハートの顔に、お決まりのフラッシュの嵐が叩きつける。 「おい、Brat」 「うん?」 「耳を塞いでおけ」     
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