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がむしゃらに走って公園を出た。
どこをどう走ったのか、俺の体の一体どこにそんな持久力が眠っていたのか、まるで分からないことばかりだ。
気づけば俺は知らない裏路地にいて、フランケンシュタインのマスクを馬鹿みたいに被ったまま、なおも走り続けていた。
視界が狭い。息苦しい。
だけどこのマスクを外したら最後、俺は警察に捕まってしまうような気がする。
だって俺は殺し屋とずっと一緒にいたのだ。
今日に限ったことじゃない。この1年、暇さえあればあの殺し屋とつるんでいた。
そんな俺を警察がマークしていたとしたら?
俺もハート殺しの共犯だと容疑をかけられていたら?
フランケンのマスクの中は、汗と涙と鼻水でグショグショだった。
なんで?
どうしてこうなった?
確かに俺は殺し屋になりたいと夢見てたけど、こんな結末を望んだわけじゃない。手酷い裏切りや、未来の大統領が粉々になる瞬間を見たかったわけじゃない。
俺はただ力が欲しかった。俺を押さえつけ、閉じ込める現実を打ち砕く力が。
だけどその力の行く先がアレだってのか?
無関係の人間まで巻き込んで何もかも焼き尽くす、あの炎が――
「――Oops!」
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