3.

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 ただ1つ特筆すべきことがあるとすれば、ハートに続いて一躍時の人となったヒンクリーという男は完全にイッちまったヤク中みたいな顔のやつで、あの日俺の隣で爆弾の起爆スイッチを押した男とはまるで別人だったってことだ。  それから年明けを待たずに『Cinema Anthony』は潰れた。  雪が舞うニューヨークの片隅で、俺は残骸になった『Cinema Anthony』の前に立ち尽くし、しばらくそこを動くことができなかった。  エドワード・ハートが死んだあの日以来、俺はFartと会っていない。  ニューヨーク中どこを探しても、あの男を見つけることはできなかった。  Fartは俺の前から完全に姿を消した。  そして、10年の月日が流れた。
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