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 お前もシカゴにいたことがあるなら名前くらい知ってるよな?  俺は、ランスキー一家のレヴィンってもんだ。  ――これで事情は分かったな?  そうだ。俺たちはボスを殺したヘインズの行方を追ってる。  あ? いや、そうじゃねえよ。  ガンビーノ一家との抗争にはとっくにカタがついてる。  やつらはもういない。  全員殺した。殺し尽くしてやった。  だがただ一人、あの抗争の途中でシカゴから逃げ延びやがったやつがいる。  そう、ヘインズだ。  あいつには七年前の落とし前をつけてもらわにゃならん。  そこでお前に訊きたい。  ヘインズは今どこにいる?  知らないとは言わせねえ。  お前、今もヘインズから金を受け取ってるんだろう?  だからこんな悠々自適の暮らしができてるわけだ。  噂によれば、やつは今もひっそり殺し屋稼業を続けてるって話だからな。  依頼人は死の商人か、はたまたケチな売人か……  どちらにせよ実入りはいいはずだ。  やつの腕にはうちのボスを殺ったことで箔がついてるからな。  で? いつまで泣いてんだ?  泣いてちゃ分かんねえよ。  俺はな、美人が泣いてんのを見るとゾクゾクするんだ。  もっといたぶっていたぶっていたぶり尽くしてやりたくなる。  それが嫌ならヘインズの居場所を吐け。     
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