家族との会話

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娘の晴夏は子供の頃から霊感なるものがあって 死んだ私が見えています。 妻の踏絵は、残念ながら霊感なるものが全く無いので私の事が見えない。 晴夏を通じてコミュニケーションを取ろうとチャレンジしましたが妻に全く相手にされず 晴夏も匙を投げました。 幽霊、お化けを信じろ!と言うのも無理があると思っているので仕方ないと思います。 妻は2週間くらいは悲しみ、塞ぎ込んでいましたが仕事復帰をしてからは少しづつ元気を取り戻しているようにも見えました。 人ごとのように聞こえるかも知れませんが 幽霊となった私の仕事は妻の守護霊でも無ければ背後霊でも無い! そう、近親者を見守る仕事に就けなかったのです。 ですから娘に様子を聞きに元自宅に通っている訳です。 お化けなんだから部屋に勝手に入って妻の様子を見れば良いのに? 最近は、それらも厳しくなって やれストーカーだの 不法侵入だの 幽霊の世界もうるさく言われる御時世です。 おっといけない! そろそろ仕事の準備をしないと 現在の私の仕事は自殺の名所でもあるD岬 記念撮影に写り込むと言う簡単なお仕事です。 簡単と言ってもテクニックは必要です。 景観を邪魔しない 簡単に気付かれない 全身が写り込まない これらに気をつけています。 心霊写真は怖がらせることが目的ではなく 自殺の抑止を目標にして日々活動しております。 写り込むと言っても毎回気付かれるほど素人でも無いので、殆どが無駄になる事が多いです。 致し方無いですがこれが現状ですね。
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