成層圏の青・ブルーセンチュリー

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この星「チーズ」は何世紀にも渡る機械兵器との戦争に決着。 いまが記念行事の年。新しい暦が始まったばかりで、稼ぎ時。 ニュー暦001年。 星間ネットワークで調べた、戦う意欲を失った人間の変わりにロボットが戦った。人を守る為に製造された擬人と呼ばれる人型ロボットは、人間以上のやさしさと真心で自分を犠牲にしてこの星を守り抜いたのだと言う。 みな女学生のような女の子だそう、なんかうらやましい。 宇宙ってそうなのよ、魂が叫ぶんだ。「一度きりの生命よ!」て。 ぐずぐずしてたら、あっという間にご臨終よ。 「コンちゃん、この瞬間てなんかすごいよね」 「うん、このキャットウォークが掛ける逆噴射の振動は」 「荒々しくて、なんかたくましいよね」 「中に居る私らが、胎児みたいな錯覚があるのよね」 「え~!?」 「コンちゃん産まれる前から覚えてるのお?」 「うわ、でたよミヨルカのオドロキ天国」 通路で装甲窓から外を見る二人、汎用整備服を着たまま立ち話。 手すりパイプをつかみながら私は布タオルで顔を拭きまくる。 汗と油で女とは思えない形相。 コン・コオロギのほうが腕が良いから余裕ぶってるぞ。 衛星軌道にランディングしてから、少しだけ高度を落とす。 高度三万メートル。     
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