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【紫藤凪】
アタシは紫藤凪。
この包容学園の養護教諭だ。
今日は入学式だがアタシは準備をサボッ…いや、見回りの為に桜並木を歩いていた。
「見事な桜だねぇ」
感慨深く呟くと何処からか声が聞こえたので、アタシは声のした方に向かってみた。
「こ、ここって、普通の人間の学校じゃないの?」
「何言ってんだ、ここは俺ら妖が集まる学校だろうが」
「「……え?」」
どうやら人間と妖の生徒…新入生達がはち合わせたようだった。
今年は学園長から特殊な事情だからと言われた為、アタシも事前に生徒の顔と名前を覚えていたのだが…。
《ハハッ、まさかこんな直ぐに役立つとは思わなかったねぇ》
アタシは苦笑すると二人に近付いた。
「どうしたんだい?」
アタシの声に驚いて振り向くと先に口を開いたのは人間の…日向瀬の方だった。
「あ…あの…」
所が動揺して上手く説明出来なかったのでアタシは安心させるように口を開いた。
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