第1章~入学式~

3/4
前へ
/65ページ
次へ
「落ち着きな」  言いながら日向瀬の頭をポンと撫でると妖の…ムラマサを見た。 「オイ! 一体どう言う…」 「手品の練習は放課後にしろよなぁ」  ムラマサの質問を遮るように言うと、畳み掛けるように小声で言葉を続けた。 「黙ってな! いずれ判るからさ…」  強引に告げるとムラマサは『何言ってんだ!?』と言う表情になったが、アタシは構わず二人を見渡した。 「所でお前達、遅刻するよ?」 「エッ!?」 「何っ!?」  アタシの言葉に二人が動揺した瞬間、日向瀬に聞こえないよう小声で風魔法を詠唱した。 ー鎌鼬の舞ー ビュウゥゥゥ!  するとアタシ達を取り巻くように旋風が巻き起こった。 「キャアッ!」 「ウワッ!?」  風に煽られ二人が顔や目を庇った隙に、アタシは日向瀬を抱き寄せ、ムラマサの腕を掴むと移動魔法を詠唱した。  
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加