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「落ち着きな」
言いながら日向瀬の頭をポンと撫でると妖の…ムラマサを見た。
「オイ! 一体どう言う…」
「手品の練習は放課後にしろよなぁ」
ムラマサの質問を遮るように言うと、畳み掛けるように小声で言葉を続けた。
「黙ってな! いずれ判るからさ…」
強引に告げるとムラマサは『何言ってんだ!?』と言う表情になったが、アタシは構わず二人を見渡した。
「所でお前達、遅刻するよ?」
「エッ!?」
「何っ!?」
アタシの言葉に二人が動揺した瞬間、日向瀬に聞こえないよう小声で風魔法を詠唱した。
ー鎌鼬の舞ー
ビュウゥゥゥ!
するとアタシ達を取り巻くように旋風が巻き起こった。
「キャアッ!」
「ウワッ!?」
風に煽られ二人が顔や目を庇った隙に、アタシは日向瀬を抱き寄せ、ムラマサの腕を掴むと移動魔法を詠唱した。
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