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未琴ちゃんは鞄をロッカーにしまうと、「店長~」と突然泣きついている。
「どうしたの、未琴ちゃん」
店長は驚いて目を丸くした。
「彼氏と別れたの。しかも酷いんだよ。冷めたからだって。他に好きな子出来たとかなら分かるけど、いきなり冷めたとか、本当酷い……」
未琴ちゃんは目に涙をいっぱいためている。今にも泣き出しそうだ。
未琴ちゃん、彼氏と別れたのか。最近恋愛のことに疎くなってるからこんなときなんて言ってあげれば良いか分からないな。まあ、どっちにしろ私は基本的に会話に参加しないんだけど。
「いきなり冷めたって失礼な子ね。こんな可愛い未琴ちゃんを振るなんて……。どうせろくでもない男よ」
店長は未琴ちゃんの頭をよしよしと撫でた。
「良いじゃねえか。好きでもないと思われてる奴とそのままズルズル行くより、きっぱり別れた方がよ。なんなら俺が彼氏んなってやろうか?」
喫煙コーナーに居る田岡くんが悪戯な笑みを浮かべて未琴ちゃんを見る。
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