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「誰があんたみたいな軽い男と! 余計なお世話ですー!」
今までの泣き顔から一変、いーっと口を横に開いて舌を出す未琴ちゃん。横で店長は苦笑い。チーフも乾いた笑いを漏らしている。
こんな感じで仲良くやってるみんなだが、私は空気のような存在。違う、自分からそうしてきたんだ。人と距離を置くように、なるべく関わらないようにしていた。
でも今日から変わるんだから。いきなり変われるとは思えないけど、少しずつ会話に参加して、みんなとの距離を詰めていきたい。
そんなことを思っていると、店長が不意にこちらに視線を移す。
「愛奈ちゃんは彼氏居ないんだっけ?」
「今は居ません。まずはダイエット成功させてから……」
続きに「グルチャのあの人とオフ会で会うんだ」と言いかけて言葉を飲み込んだ。
「ダイエットかー。私も最近太ったんだよね。それで振られたのな? ねえ、一緒にダイエットしない?」
未琴ちゃんは腰の辺りを触りながら私に視線を移す。
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