門出の時に

20/31
前へ
/481ページ
次へ
お魚を堪能した後は、江ノ島散策をする。 海と自分の距離が近くて、変な感じだ。 なによりも3人で一緒にいる事が楽しい。 俺は正直、3人でずっと家でダラダラしていてもよかった。 同じ空間を共有していることが嬉しいのだから。 自然と笑みが溢れる。 涼太さんは、高校生のときよりも肩の力を抜いて、京弥さんと話しているようだ。 サックスがなければ涼太さんは何も考えずに京弥さんに接することができるし、だけど、サックスが無ければ出会うこともなかっただろう。 難しいな… 俺達は島の奥はどんどんと進み、岩屋へと足を踏み入れた。 洞窟散策なんて今までしたことなかったから、ワクワクした。 皆で暗いところへ入ると、怖いという感情もあるが、思わずはしゃいでしまう。皆と一緒だと怖くない、と思ってしまうからだろうか。 洞窟散策をして、日が暮れ始めたので、たこ焼き作りをするミッションが残っている俺達は、また、電車に乗って帰ることにした。 スーパーに行き、京弥さんが白身魚を選んでいる時、俺は大好きな炭酸オレンジジュースをカゴに入れようとすると、既に涼太さんが選んだポテチとバタークッキーが入っていた。 「夜、みんなで食べようと思ってさ。あ、葵ちゃん、京弥がコーヒー淹れるのを阻止してね。」 「ちゃんとウチにも紅茶ありますよ?」 「ミルクティーがいいな。」 「美味しいミルクティー作ります。」 ポテチにミルクティーは合うのか分からないけど、 3人で温まろう。
/481ページ

最初のコメントを投稿しよう!

618人が本棚に入れています
本棚に追加