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恋に気付く瞬間
時刻は午前10時25分。
1時間目と2時間目の間の休み時間。
ふと、窓の外を見ると、窓越しに京弥さんが見えた。
入学式、新入生オリエンテーション、実力テストとなかなかタイトな時間を過ごした4月は終わり、中だるみのゴールデンウィークを経て、今は5月の初旬。俺たち吹奏楽部はゴールデンウィークでも、練習があったけれど。
少し気温も暑くなってきて、俺はワイシャツを腕まくりして過ごしている。
4月の中頃までは、先輩達のことは、苗字に先輩と呼んでいたけれど、最近は仲のいい人だったら名前にさん付けで呼んでいる。
だから、同じパートの先輩はもちろん、京弥さん、涼太さんと、名前にさん付けだ。
うちの学校は、学年ごとに棟が違い、渡り廊下でつながっているため、違う棟でも同じ階であれば行動が丸見えであった。
京弥さんは移動教室なのだろうか。友達と一緒に廊下を歩いている。
辞書を持ってるから、英語の授業かな?
英語だったら俺が辞書になってやってもいいよ、と思ったり。
やっぱり、いつ見ても驚くほど美人だ。
彼が見えると目で追ってしまう。
全体集会や、2年生の教室前を通る時、探してしまう。
あんな美人だもんな、同じ性別でも目がいっちゃうよな。
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