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あの時、私はちょうど駅のホームにいた。
なんだか嫌な予感はしていたのだけど
まさか飛び込む人が出るなんて思ってもいなかった。
しかも最悪なことに、誰かが飛び込む直前、私はその人の顔を見てしまった。
生きることに絶望した顔。
「無」というか「空」というか。
何もない、という言い方が一番しっくりくるかもしれない。
とにかく、そんな感じだったのを覚えている。
ドンっと大きな音がして、少ししてから近くにいた人が悲鳴をあげた。
あんなことがあってから数日間、私は悪夢にうなされた。
あの何もない顔が毎晩出てくるのだ。
フラッシュバックってやつか。
とにかくしんどくて、私は鬱になりかけた。
今はもうあの悪夢にうなされることはなくなった。
しかし、今も忘れられない。あの空虚な顔を。
忘れられない理由は駅のホームにある。
私は時々、見かけてしまうのだ。
何もない顔をした人を。
その時私は不安でいっぱいになる。
もしかしてあの人も飛び込んで行くのではないかと
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