第一章 新生活

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第一章 新生活

四月のある日の早朝。ぴぴぴぴ!と目覚ましのアラームの音がけたたましく鳴り響く。そして、目を開けると見慣れない天井。 「そっか、引越ししたんだっけ。」 ぴぴぴぴぴぴぴぴ!!! 「あーもう!うるさいな!!」 殴るようにアラームを止めながら、私は「はぁー......」と長い溜息を吐く。 これからどうなるのやら。 私がこんなにも途方にくれたことを思ってる原因は、紛れもなく生活環境の大きな変化だ。 私、宮野雪那(みやのゆな)/12歳(中1)は昨日2つ上の兄春樹(はるき)と母さんと一緒に父さんの転勤先であるアメリカに引っ越したばかりだ。 アメリカに引っ越すとなると大抵の人はリアクションは多少違うにしろ、期待や不安で胸を膨らませ引っ越してくるだろう。 しかし、私の中には不満しかない。なぜかといえばアニメの情報に乏しくなりかねないからだ。いわゆる私はオタクというやつだった。 日本にいたらほとんどのアニメを寝る暇も惜しんでリアルタイムで見て、漫画の新刊も当日に買わないと気がすまない。そして、好きな漫画やアニメのイベントがあれば県外でもおこずかいをきりくずして参戦するという奴だ。私ぐらいの年頃ならヘビーなほうだろう。 そんな私にとって英語が喋れないという問題よりそちらのほうが私にとってはかなり大きい問題である。 その他諸々不満はあるものの、私が本当に嘆いてるのは数少ない趣味のアニメ関連のことただひとつだけだ。 起きたばかりで
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