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「メンバーの事は知らないけどさ、亡霊?だっけ、そんなに気になるの?」
「なるなる。ちょーなる。なんで日本の非公式大会に出てるのかとか、今日本に滞在してるのかとか色々と解析進めるくらいには気になる」
「それストーカーなんじゃ――」
「――なんか言ったか?」
「いや……。で? その解析結果はどうだったのー? そんなに気にしてるとあたしも気になるんだよねー」
「ダメ、全然ダメ。全く目ぼしい情報無し。まるで本当に俺達と同じデバイス使ってんのかってくらい情報が出でこない。本当に噂通り違法なヘッドギアデバイス使ってんじゃないかってくらいだった」
『rei』は各国の小規模イベントに姿を現すからその都度解析班が動いたり、たまに警察が動いたりとしているのだが結果は皆同じく足が付かない。
俺も少しはハッキングを齧っていたから、それを試せた昨日は張り切ってたけど哀しい事にまるでダメだった。
下手するとゲームシステムに侵入してしまうからあまりやれる事じゃないし、もう今後はしないかな。
「そんなになんだ? どこの国の人かも分かってないんだよね?」
「そー。基本非公式大会はラグ軽減の為に各地の専用サーバーのみで行われるから、その土地に行かないと出場出来ないんだよ。だからこうもポンポン姿を現してくれる機会なんてほぼ無いんだ。
そのチャンスだと思ったけど……はぁ、無駄骨」
「そっかー。本当にどこの人なんだろうね。もしかして国籍はしっかり日本だったりして。髪も黒なんでしょ?」
「あり得るけど流石に可能性は薄い。アバターの髪色なんて自由自在だ」
「だよね」
本鈴の音が校舎全体に鳴り響く。
「ま、あたしは関与しないけどほどほどにね? シールドのアテンちゃん♪」
「ネームで呼ぶの止めろよな。それに女性名詞じゃないぞ」
「起立っ」
教壇側の引き戸が開き、先生が入ってきたところでクラス委員長から号令が掛かる。
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