プロローグ

5/5
前へ
/22ページ
次へ
俺は逃げるように大学を去った。 酒井に会いたくなかったんだ。 『俺はお前の性癖とか、気にしないからさ。友達でいようぜ』 『優しい酒井』からそんな台詞、絶対に言われたくない。 んな事言われたら、俺のこの気持ちはどうなる? あいつと友人を続けるのか? それとも、何もかも承知で知らないふりをしてくれた酒井の、友情を裏切るのか? 無理だ。 友人を続けることも、あいつの友情を裏切ることも、できない。 だったら、消えたらいい。 俺ができる選択は、黙って消えることだけだった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加