プロローグ ~少女は少年と出会う~

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プロローグ ~少女は少年と出会う~

 魔法使いが世に現れ早二十余年。短いというには少々年月を重ねた歴史ではあるが、それでもなお魔法使いという人種が世界中を闊歩(かっぽ)している事実は知られていない。  要因は往々にしてあるものだが、特筆すれば、ある特定の条件下以外での魔法の流布は死を以って(つぐな)わなければならないという一点に尽きるであろう。これは罪を罰するという意味ではない。文字通り死という形となって、世界に、魔法の力の根源たる〝精霊〟によって消し炭にされるのだ。  精霊は人間が魔法を行使することに懐疑的だ。  かつて精霊に愛された一人の人間を除いて、精霊は人間を人間と思わない。だが、その人物は精霊にある一つのお願いをすることによって世界は変革を受け入れた。  ――どうか、この力を世界の発展のために使えるようにして欲しい、と  精霊は、一抹の不満を抱いたが、その人物の言い分を受け入れ、人々は魔法の恩恵を得られるようになった。  それでも、精霊は人間の味方になったわけではなかった。前述したように精霊は人間に容赦しない。  時は流れ、魔法使いはこことは違う世界、狭間の世界を生活の基盤としていた。
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