第2話 : 変わりゆく日常

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「現在のコンピュータテクノロジーが未熟であるという疑いはありますが……雨宮さん大丈夫ですか?」 「あ、大丈夫です…すみません」 現代文の授業は個人的に好きだけれど、好きな教科でさえも頭がぼんやりしていて集中できない。 もやついた心とは裏腹に、天気は清々しいほどに青い。 雲一つない快晴を窓からぼんやりと見つめる。 幸い窓側の席であるお陰で体育の授業を眺めたり、ほんの少しだけではあるけれど、一時の間だけ心の落ち着きを取り戻す事が出来る。 「桜が授業に集中してない何て珍しいね、何かあったの?」 「ううん、ただ眠いだけ」 「嘘だ、誤魔化してる桜って分かりやすいもん」 授業終わりの十分休みにあゆと駄弁っていた。 あゆはこういう時だけ鋭かったりする。 彼女も私をよく理解してくれているから追及してくる事はなく、私が話せるようになるまで気長に待ってくれる。 細かいところまで干渉しようとして来ない所も彼女の良い所だと思っている。
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