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「芹沢先生が…?」
(な、何で先生が…?!)
まるで合わせろと言わんばかりの眼差しを一瞬私に向けて彼は続けた。
「昨日こいつは補習をサボったからな、代わりにプリントの整理を手伝ってもらっていた。それだけだ」
今日は絶対サボらず来るようにと念を押され先生はその場から去って行ってしまった。
以前の事と言いまた助けられてしまった。
「本当に芹沢先生と仲良くなったんだねえ」
「え?そ、そうかな…」
「あんな事言う先生初めて見たよ。誰にも興味を示さないような人だから」
小さくなっていく先生の背中を見つめながら彼の話を聞いていた。
確かに、生徒に干渉をするような人ではない。
だけど先生がこうして助けてくれるのは相手に好意を抱いていると言うよりは、ただ先生自身にある良心でしてくれているのではないか思う。
助ける対象がただ私だっただけ。
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