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「これってあれですか?光源氏計画ってやつですか?」
「やだなぁ、沖田さん。俺は両親に代わって歳が離れてる妹を甲斐甲斐しく世話しただけですよ~。残念なことに毎日が本当に大変だったんで、そんな余裕も、夢もロマンもありませんでした~」
笑顔で答えながらも、今度俺と豊の関係をそんな風に呼んだらこいつのことはマジで殺そう……と心に誓った山崎だった。
沖田はふーん、と頷いただけで、それ以上山崎をからかうことはしなかった。
「ちなみに、烝お兄ちゃんよ」
「あ~ハイハイ、なんですか~」
「豊の幼少期の遊び相手がお前ってことはだな。あいつにも多少変装や体術の心得があるん 「させませんよ」 まだ全部言ってねえだろうが」
「豊には平和で普通の生活を送って欲しいんです~。"土方さんが思っているようなこと"は絶対、親代わりでもある俺が許可しませんからね~」
早々に釘を刺された土方は肩をすくめてから山崎に背を向けた。
"できない"じゃなくて、"させない"……ね。
沖田も軽く会釈をしてから、土方の後を追って山崎の元を離れていく。
山崎も、2人の影が充分に離れてから身を翻した。
この時の出会いが、
豊が幕末の動乱の渦に巻き込まれる原因のひとつになる……かもしれない。
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