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「あっ、あぁぁん……ナナさぁん」
「ココがいいの?」
「うん、そこっ……もっとぉ」
ナナさんの怒張した熱が俺の最奥を突く。雷に打たれたような衝撃が背筋を駆け抜け、視界が真っ白に染まる。
程よく筋肉の付いた頼り甲斐のあるナナさんの背中に爪を立てて、汗ばんだその広い肩に顔を埋める。
鼻腔いっぱいに広がるナナさんの匂い。愛しさと安堵と快感と、沸き上がってきたたくさんの気持ちが下腹部に集まり、熱いうねりを生む。
「あっ……んぁっ……ナナさぁん、イッちゃ、うぅぅ」
「うん、いいよ。いっぱい出しちゃいな」
ナナさんは律動を早めて、絶頂へと導いてくれる。狂いそうな快楽に、いやいやをするみたいに勝手に頭が揺れてしまう。
すると、大丈夫だと宥めるように額に唇が落とされた。乾いた大地に雨が染み込むように、そこから柔らかな熱が全身に広がっていく。
ナナさんとひとつになれているんだという幸せに、涙が溢れそうだ。ナナさんと迎える絶頂は、いつも生きていてよかったと心から思う。
「ねぇ、ナナさん。抱くのって気持ちいい?」
「どうしたの、急に?」
「俺の中、気持ちいい?」
「とっても気持ちいいよ」
シーツに沈んで快楽の余韻に浸る俺の髪を、優しく梳いてくれているナナさんを見上げる。
「俺もナナさんの中、挿ってみたい」
意を決して告げると、三日月のように細められていた瞳が見開かれた。
琥珀色の双眸に映る俺の顔。平静を保っていたつもりなのに、今にも泣き崩れそうな情けない表情だ。
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