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角にあったパイプ椅子に座りしばらく待っていると。缶コーヒーとミネラルウオーターを手にした前角悠吏が現れた。
「 鎌チョさんは微糖でいいかな で そちらのお嬢さんは水でいい 」
「 ありがとうございます 」
鎌丁の連れの頭を黄色のレインコートのフードにすっぽり包んだ女性はミネラルウオーターを受けとった。
「 胡散臭い野郎だと思ってたが なんだこりゃ 雨と巳の字がある 蛇神信仰か 」
「 さすがオカルト誌の記者さんだ お詳しい 蟒蛇の当て字ですよ 関東近郊のとある農村部で以前信仰されてた 取り壊しになるんでここに移したんです 」
「 店はいいのか 」
「 いいのかって 自分が呼んだくせに 月夜君が来たから 大丈夫ですよ 」
「 はぁ 月夜ちゃん下にいんのか 」
「 そりゃウチのバイトだもん いいんすか いなくなった時心配してましたよ 」
「 絶対内緒だかんな 」
「 はいはい でも鎌チョさんやるじゃないですか まさか若い女の子と駆け落ちしてたなんて 」
「 ば ば 馬鹿 そんなんじゃねぇ 」
「 で 僕に何の用です 6年くらい前に空の件で付き纏われた記憶はあるけど別に親しくした覚えはないんだけど 」
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