0人が本棚に入れています
本棚に追加
3
ピロリ、ピロリ、ピロリ、ピロリ……と鳴り響く音に耳を澄ます私はマクナル店員。
そう、先日物産展のアルバイトをめでたく卒業した私はマクナルの店員へと華麗なる転身を遂げていた。物産展のアルバイトの卒業は、店を私ももちろんWin-Winだ。この言葉ほどうさんくさいものは無いが。
店もわけわからん奴を追放出来て一安心。私も新たなる旅立ちに踏み出せて一安心。これぞWin-Win。
ということで、マクナル店員だ。私もなんとなく慣れてきた今日この頃。本日の担当は受付だ。
マクナルの受付。スマイル0円が廃れて久しいが、我々はスマイル0円をもちろん徹底している。徹底しているというより、笑顔が頭蓋骨に張り付いている。表情筋がこわばる音が聞こえる。ばっきばきの筋肉痛に襲われたのはスマイル初日だ。
無論そんな障害は易々と乗り越えた。何故ならば私はプロのマクナル店員なのだから。
そう、私はプロフェッショナル。プロのマクナル店員。スマイルはゼロ円で、時給は860円。少し厳しくはないだろうかとも思うが、文句は言っていられない。
「いらっしゃいませー」と私はにこやかに応対する。
最初のコメントを投稿しよう!