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それからは、ほんの少しだけ、他の女の子より近い存在。
それはきっと席の近さくらいの優位さで、たいした距離じゃないけれど。
文化祭の頃、他の男子たちと近くの女子高に行った話をしてた。
かわいい女の子がいたんだって。こいつ今度デートするんだぜ。
そんな話を目の前でされてしまって、世界が終わったような気がした。
「そうなんだ。いいね」
ちっともよくなーい、と思いながら、気軽な感じで言ったら、めずらしく照れたように笑うから、そんな顔をさせたその子がうらやましくなった。
しばらくたってから、内心はどきどきしながら
「彼女とのデートどうだった?」って聞いたら
「ああ。やめた」って。
「思ってたような人じゃなかったの?」
「彼女転んで前歯が欠けてたんだよ。悪いと思いつつ、おかしくて笑ったらフラレタ」
ひどい人だーって思いながら、どこかでほっとした私は、もっと酷いね。
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