893人が本棚に入れています
本棚に追加
********
「それで、話せなくなっちゃったの?」
沙耶ちゃんのとこで 遅い昼食中だ。
時間は もう16時になる。
起きてシャワーして家出て、今日 初の飯だし
昼食というより朝食だけど。
朋樹は昼頃起きたらしく、14時頃にオレの家に来た。
オレは それで起こされた訳だが、割りと長く寝た割に、起きても疲れのせいかスッキリしない。
夕方くらいまでは寝てたかったんだけどな...
「そう。起きてもやっぱり話せないらしいんだ」
昨夜から朝までの事を、飯食いながら
朋樹が 沙耶ちゃんに説明した。
「困ったわね...
原因が わかってても、解決法を見つけなくちゃね。
時間経過でなんとかなりそうなものでも なさそうだしね」
そうなんだよな。
一度寝て起きたら もしかして... とか
思ったんだけどな...
沙耶ちゃんは、カウンターを出ると
店のドアに、“準備中” の札を掛けた。
18時までは、夜の仕込みと
予約の占い客を ひとりふたり鑑定するためだ。
オレらが ここにいる時は、仕込みを手伝ったりもする。
とはいえ、食材を買いに出たり
沙耶ちゃんの指示通りに、火にかけた鍋の中身を
かき混ぜるくらいだが。
「仕込み、手伝うよ」と言う 朋樹と共に
オレもイスから立ち上がったが
「泰河くんは いいわ。
疲れてるみたいだし、座ってて」と
沙耶ちゃんに止められてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!