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「ふうん...
たまたま おまえが飲みに行ってない日に そいつが行ってたか、その店の常連の知り合いとか なんかな?」
朋樹は、空にしたカップに おかわりを淹れようと
カウンターのイスを立った。
沙耶ちゃんの手が空いてない時に、朋樹やオレが
ここのカウンター内に立つことはよくあることだ。
必ず コーヒーの おかわりするので
オレらが来ると、沙耶ちゃんは
その分も含めた量をサイフォンで淹れ、カップに注いだ分以外は、保温ポットに移しておいてくれる。
「おまえも飲む?」と 聞く朋樹に
残ったコーヒーを飲み干して 空のカップを渡す。
店のドアベルが鳴り、来客を告げた。
キッチンから「はーい」という
沙耶ちゃんの声がする。
朋樹が、コーヒーのポットとカップから眼をあげて「いらっしゃいませ」と言いながら
ドアの方を見たが、眉間に微かにシワを寄せた。
座ったままカウンターから ドアを振り向くと
ルカが立っていた。
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