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「そう見えた? 中学の時の同級生だよ。知り合いってほどでもないけど。前にね、ちょっと色々あって。しめたことがあるんだよ」
「……? しめた?」
「そ。文字通り、懲らしめた。中学の時のことだよ。飛び抜けて成績が優秀だったおれが気に入らなかったんだろうね。腕力でなら勝つとでも思ったのかな。けど。ま、喧嘩じゃ負ける気がしないし。おれの見た目につられてよく来るんだよなぁ、ああいう輩が。他にも……」
要がまた向かいのホームに視線を流す。すると向こう側のホームにいた複数の他校生が一斉に視線を逸らした。顔をそむけながらも彼らはどこかこちらを、要のことを気にしている気配がある。
なるほど、と僕は頷いた。
彼らと要がいた中学校では要は相当な有名人だったようだ。それも悪名で。
要がクスクスと小さく笑う。
「うちの中学は超がつく進学校だからね。成績が優秀なら多少のことには目をつむってくれるんだよ。特にずば抜けて成績が良かったから、おれは」
「意外に凶暴なわけか」
「高校に進学してからはしてないよ、なにも」
そんな風に言う要の瞳の奥に狂気のようなものを見た気がした。底が知れない。けれどふと、この要がうちの高校に進学した理由が気になった。
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