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地下6階、誰にも知られることのない部屋が並ぶ。その廊下を少年……軍人ナンバーISA00L-00000000は歩いていた。そしてB6-045とプレートのついた部屋のドアを薄く開け、中に体を滑り込ませる。
そこには一見何の変哲もない椅子があった。軍人ナンバーISA00L-000000000、通称ゼロは、Sランクによって綺麗に、血の一滴のシミすら残っていない椅子に座る。
「痛かったかなぁ」
軍人ナンバーHCSYKS-791475180だけでなく、今まで処理してきた者たちに思いを馳せて目を閉じる。
そして。
ざくり。
腕から針が生える。
ざくり。
肩から針が生える。
ゼロは微動だにしない。叫ぶことも、身じろぎすることも。血が流れ出ても動かない。何事も無いかのように規則正しく胸が上下する。
数分後、針が仕舞われてゼロはゆっくり目を開ける。
「やっぱり、痛いのとか分かんない」
がらんどうの部屋。わずかな光源は、彼の瞳に届かない。
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