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#1
Dear 汐璃
突然来てしまって、驚かせたね。
怒ってないといいのだけれど。
8年ぶりに会ったきみは、相変わらずとても優しく、笑顔がすてきな女の子だ。
そして、とても美しい。
きみが送ってくれたどの写真よりも、実物のきみがきれいだよ。
そのきみがとなりの部屋で寝ているなんて、まだ信じられないよ。
ぐっすり眠れている?
ぼくは寝られる気がしなくて、こうしてきみに手紙を書いている。
いくつもの夜を、こうして過ごしてきたから。
眠れない夜は、きみにあてて手紙を書いた。
起きられない朝は、「そうだ、きみにあれを書こう」と思って飛び起きた。
昼間は、きみに何を書こうか考えた。
きみに書くことを作りたくて、くだらないイベントにいくつも行ったよ。
ぼくの生活のすべてが、きみにあてたものだったと言ったら、信じてもらえるだろうか。
いつかきみにすべてを伝えたい。
ぼくがどんなにきみを愛しているか。
ぼくの半身 汐璃へ。
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